2018年の女性向けシェアハウス「かぼちゃの馬車」などを巡る不動産投資向けの不正融資問題をきっかけとして、仙台でも不動産投資に対する金融機関の融資引き締めが続いています。
2021年2月現在、コロナウイルス収束の兆しも見えずオリンピック開催が危ぶまれる事態となっています。事態が改善せず、オリンピックが再延期または中止ということになると今後の景気予測がさらに難しくなります。
このような状況ですので、現在一棟アパート・マンションの売却を検討されている方も少なくないはずです。
売却に適したタイミング
それでは、一棟アパート・マンションの売却に最も適したタイミングはいつなのでしょうか。以下で解説していきます。
相場が上昇しているタイミング
一番良いのは、物件のあるエリアの相場全体が上昇しているタイミングで売却をかけることです。
相場の上下については、「令和2年地価公示価格一覧」が参考になるでしょう。
上記をご覧いただければ分かると思うのですが、仙台市内は毎年右肩上がりで上昇しています。この上昇の背景には、2015年に地下鉄東西線が開通したこと、仙台駅東口エリアの再開発が進んでいることなど仙台全体の利便性が向上していることが関係しており、中には1年間で20%近く地価が上昇しているエリアもあります。
上記のデータを見ると、仙台市内の不動産は現在高値で売却しやすい状況にあります。今後どこまで上昇が続いていくのか、どこで下落に転じるのかについては予測が難しいですが、いずれにせよ2015年以前に購入した仙台の不動産については、購入時よりも高値で売却できる可能性が高いと言えます。
減価償却が終了するタイミング
一棟アパート、一棟マンションについては、建物の減価償却分を毎年経費として計上することができます。
詳しくはお近くの税務署にお問合せ頂ければと思うのですが、一般的には、
木造 22年 |
鉄骨 34年 |
RC造(鉄筋コンクリート造) 47年 |
の期間をかけて一定額ずつ建物の減価分を経費計上していきます。(中古物件の場合は若干計算方法が変わります)
減価償却期間が終了すると、次の年からは計上できる経費が大幅に減ります。そのため、その分利益が大きく出て支出が増え、キャッシュフローが悪化してしまいます。
上記の理由から、減価償却期間が終了する前に売却するというのもタイミングとしては良いでしょう。
デッドクロスが起きるタイミング
こちらはローン残債がある物件についての話ですが、時にキャッシュフローがマイナスに陥ってしまうことがあります。
不動産は、経年とともに家賃が下落していきます。その一方で、利息の返済が減り(元金の返済が増え)、減価償却もなくなります。
つまり、収入よりも支出の方が大きくなり、現金の手出しが発生するということです。現金の手出しが発生しても、何とか耐えてローンの返済が終了するまで持ち切るというのも1つの方法です。しかし、デッドクロスを事前に予測し、その前に売却し新しい不動産と入れ替えていくというのも良い方法です。
デッドクロスが来るのか、又は来るとしたらいつなのか、については物件によって異なります。気になる方は、当社までご相談ください。
高く売却するために行うべきこと
オーナー様がご自身の不動産をより高い値段で売却したいと思うのは当然です。そのためにはどのようなことを行えば良いのでしょうか。
挙げればキリがないですが、中でも重要なのは「家賃の水準を落とさないこと」です。
全8部屋の1棟アパートを例に挙げて考えてみましょう。1部屋あたり48,000円の場合と50,000円の場合、利回り7%で売れるとすれば、売却額はどのくらい変わってくるのでしょう。
■1部屋48,000円の場合
(48,000円×8部屋×12ヶ月)÷7%=65,828,571円
■1部屋50,000円の場合
(50,000円×8部屋×12ヶ月)÷7%=68,571,428円
上記を見ると、同じ利回りでも1部屋あたり2,000円家賃を下げるだけで、2,742,857円も売却額が少なくなることが分かります。
家賃を下げることは、売却においてこれだけインパクトがあることですので、売却を視野に入れている場合は注意してください。家賃を下げるよりも、初期費用を下げる等、他の手段によって申込を頂けるよう試してみてください。
家賃を下げずに満室経営をする方法については、こちらをご覧ください。